ブランドストーリー

常に「新しいもの」を。
老舗タオルメーカーの挑戦

株式会社成願

代表取締役 仙波一昌さん

国内有数のタオル生産地、大阪・泉州。その地で70年以上の歴史を持つ老舗ながら、新しいものへの挑戦を続け、23もの実用新案登録を生み出してきたタオルメーカーの秘密に迫る。



国産タオル始まりの地、泉州

大阪の南西部に位置する泉南市、泉佐野市などからなる地域を、泉州と呼びます。タオルの輸入、生産が初めて行われたとされるのが、この泉州です。
「後晒し製法」と呼ばれる製法が採用されることの多い泉州産のタオルは、吸水性が良く、洗っても縮みにくいと言われています。
株式会社成願は、有数のタオル生産地として、長い歴史と高い技術を持つタオルメーカーが立ち並ぶ、泉州地域をリードするタオルメーカーの一つです。


株式会社成願の最大の強みと言えるのが、次々と新たな商品を企画・開発するアイデア力だ。
代表取締役社長、仙波一昌さんが中心となって、その時々に求められている商品像を常に模索し、新たな商品を生み出してきた。

例えば、2012年に実用新案登録した「クール糸」には、接触冷感効果を持たせる特殊な加工が施されている。



クール糸開発のきっかけは、2011年の東日本大震災だった。
震災後、発電所のストップにより全国的に節電意識が高まる中、エアコンや扇風機などをなるべく使わず、夏を涼しく過ごしたいというニーズが上昇。
電力に頼らず体を冷やす商品需要の高まりをうけ、開発に取り組んだ。
この糸を使った接触冷感タオル「Eco de Cool」シリーズは、今では夏の看板商品となっている。



持てる技術にも進化と変化を

新たな技術の開発ばかりでなく、一度開発した技術も使い方を見直し、応用を加え、変化する需要にこたえる商品開発に取り組む。
首にかけられる冷感素材タオルマフラーとしての使い道が主だった「クール糸」にも、応用系が登場している。
たとえば、スイカやチョコミント、パイナップルなどの柄をつけたかわいらしいウォッシュタオル「アイスタオル」。
丸めて棒を差し込めばアイスバーのような見た目になる、触って冷たい、飾って楽しいタオルで、贈り物にも人気だ。



2020年には、クール糸を使いマスク製作にも着手。
マスク着用が日常となって初めての夏、感染拡大と熱中症、二つのリスクから人々を守るため、タオルメーカーとして、できることはないか、と模索する中で生まれた。
開発した商品を広く販売するため、インターネット上で行ったクラウドファンディングには160人から目標を上回る金額が集まり、予定通り2020年夏の供給がスタート。夏を乗り切るアイテムとして活躍した。
接触冷感効果というわかりやすい武器をもつ素材も、開発当初の需要にこたえたタオルとしての活用だけにとどめない。「夏場に使う」「冷たい」ものということから発想を広げて、デザインに遊びを持たせたアイスタオルが生まれ、コロナ禍での新しい需要にこたえ、冷感マスクが生まれた。
持てる技術には、一つの形に縛られることなく、変化を加え続ける。



織りを支える、熟練の知識と技術

綿、麻、レーヨン、ポリエステル……。
一口に「糸」といっても多様な素材があり、特性はそれぞれだ。
1つの素材からできている糸だけでなく、複数の素材を掛け合わせることで、糸自体に新たな性質を持たせたものもある。
出来上がりの特性は素材の配合バランスや織り方によっても変わってくる。
ふわふわの生地、しっかりした生地。通気性が良い生地、保温性の高い生地。素材選び、配合、織り方……。タオルの品質は、無数の条件の組み合わせによって決まる。
素材開発から新商品づくり、工場での織りまで、タオルづくりにかかわる一人ひとりが持つ素材や織り方についての深い知識と理解によって、高品質のタオルが生み出されている。



商品開発には明確な「ウリ」を

23もの実用新案登録を誇る成願。新商品の開発は、自社で進めることもあれば、雑貨チェーンや百貨店などの依頼を受け、協力しながら進めることもある。

「セールスポイントが明確で、競合と差別化できる魅力を持たせることを心がけています」と仙波さんは言う。

例えば、やわらかさを徹底追及し、ボリューム感のある見た目とふわふわの触り心地を実現した「エンジェルスピン」。
実用新案登録、「クール糸」による接触冷感作用がウリの「ECO de クール」シリーズは、2019年、日本在住の外国人が、おもてなしの心を体現した日本製品を選ぶ「おもてなしコレクション」で、日用品、雑貨部門金賞を受賞した。
国内製造にこだわって高品質を追求しつつ、紡績メーカーや研究機関とのコラボも積極的に行い、その商品ならではの魅力をもたせる商品開発を心がける。



働き方や趣味をはじめ、世の中のあらゆるところで多様化が進み、需要はめまぐるしく変化している。

「マーケットが求めているものを捉えるのはもちろん、そのさらに先を読み、自ら仕掛けていく企画・アイデア力が、『売れる商品』を作るポイントだと考えています」と仙波さん。
目指すのは、「使う方の生活を豊かにする上質な使い心地、安心・安全なものづくり」だ。
70年以上の経験で培い、受け継いできた「伝統」の製織技術と、枠にとらわれない新素材、新商品を次々開発し、23もの実用新案登録を保有する「革新」のアイデア力。
消費者を想う伝統と革新の融合が、泉州を代表するタオルメーカーを形作っている。



常に「新しいもの」を。老舗タオルメーカーの挑戦

成願の商品一覧


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ショップ紹介

株式会社成願
〒590-0531
大阪府泉南市岡田6丁目29-38

日本屈指のタオル生産量を誇る大阪・泉州の地に70年以上にわたって根を下ろし、次々と新商品を世に送り出してきたタオルメーカー。糸の加工から、織、縫製、仕上げまでを国内自社工場で丁寧に行い、消費者目線に立った商品開発力と高水準の製造技術により、品質の高さを追求している。素材への深い理解や織り技術は、国内のみならず海外からも高い評価を受ける。新たな技術の開発にも積極的に取り組み、23もの実用新案登録を持つ。