ブランドストーリー

「珈琲のまち 神戸」
から世界へ

日米珈琲株式会社

代表取締役 北浦正英さん

全国1000以上の喫茶店・レストラン・ホテルにコーヒーを卸すほか、「神戸珈琲職人」ブランドで家庭向けにも本格派珈琲を提供する日米珈琲株式会社。まもなく創業90年を迎える、歴史ある老舗ながら、新商品の開発やコラボにも積極的に取り組んでいる。代表取締役の北浦さんに、その想いを聴いた。



「珈琲のまち 神戸」

神戸港の開港により、古くから西洋の文化を積極的に取り入れてきた街、神戸。日本で初めてコーヒーの販売を行ったのも、神戸に店を構えるお茶屋「放香堂」です。現在も多くの洋菓子店や喫茶店が立ち並び、国内トップクラスのコーヒー豆輸入量、消費量を誇る神戸は、コーヒー文化となじみの深いまちです。


コーヒーの味にも、時代によって流行がある。
苦味や酸味、風味のバランス。時代によって「好まれやすい」スタンダードは、ある程度移り変わる。

「時代のニーズに合ったコーヒーを提供する」

それは、日米珈琲の一つのテーマだ。
およそ90年にわたって蓄積されてきた知識と経験、確かな技術と、全国1000以上に及ぶ喫茶店との取引を活かし、その時々に合った好まれるコーヒーを常に探り、対応してきた。



トレンドが変われば、ブレンドも変わる。
しかし、トレンドを追うことと、多くの人に好まれるブレンドを作ることが、イコールでつながるとは限らない。
「一番大事なのは、自分たちが自信をもって、本当に美味しいと言えるものに仕上げることです。『万人受け』を狙って作っても、本当に美味しいと言ってもらえるものはなかなかできません」
トレンドは考慮しつつも、「自分たちが誇れる美味しさ」という、ブレない芯を貫く。
その芯を支えるのは、会社が持つ約90年の伝統と、社員一人一人が持つ確かな知識と技術だ。



日米珈琲は、珈琲職人、つまりコーヒーのプロ集団だ。
内勤者まで含めた全社員が、知識と技術を極め、コーヒーインストラクターの資格を取得している。
「美味しいコーヒーを作るには、コーヒーを深く知ることはもちろん、一緒に食べられるメニューや、シチュエーション、そういったことを想像する力も大切です」。
その時々の流行、合わせる料理、個人の好み。飲まれる場面によって、「至高の一杯」は変わってくる。
多様なニーズに合わせるために、それぞれが深い知識と高い技術を身につけられる環境を整え、社員全員の資格取得を実現した。
全員が熟達したスキルを持つ分、自社の商品に向く目もひときわ厳しい。より品質の高いコーヒーづくりのため、社内では部署を問わず熱い意見が飛ぶ。



高品質なコーヒーを届けるために、品質検査にも熱を注ぐ。
徹底していることの一つが、「カッピング」と呼ばれる工程だ。
豆をそのまま、そしてお湯を注いだ状態で、見た目、香り、味などの項目を評価する。
カッピングは人の手によって行われるため、手間と時間がかかり、実施者には知識と技術が要求される。コストの観点から、実施回数が絞られることも多い工程だが、日米珈琲では豆の納入時、焙煎後、出荷前など幾度にもわたり、カッピングを含めた品質検査を行っている。
全ては、「安全で、自分たちが本当に美味しいと思うコーヒー」を届けるため。
「カッピングを行うことで、良質な豆を選び抜き、それぞれに合ったブレンド、焙煎を施すことが可能になるんです」徹底した品質検査こそが美味しさの礎だと、北浦さんは胸を張る。



こだわりのコーヒーは、全国1000を超える喫茶店、レストラン、ホテルなどで提供されている。
要望を聴き、協力してその店のオリジナルブレンドを作ることも珍しくない。
喫茶店にとって、コーヒーは『看板』とも言える商品。その分、強いこだわりを持つ店は多い。ブレンドする豆の種類、割合や焙煎の具合など、細かな点まで調整して、ともに最高の一杯づくりを行う。
1000の「看板」を送り出せているのは、高いレベルの要求に応えられる質の証だ。



「美味しい」のその先へ

「美味しいのはもちろんですが、それだけでなく、面白いものを作っていきたいと思っています」。
そう北浦さんは言う。
確かな技術と徹底した品質管理によって作られたコーヒーが美味しいのは「当たり前」。
そこにプラスして、他とは少し違う「面白さ」を持ったものづくりを追い求める。
高いバリア性で鮮度長持ち、洗練されたデザインがギフトにも人気の「紙缶レギュラーコーヒー」シリーズや、耐圧ペットボトルに豆を入れて風味を閉じ込めた「ボトルコーヒー・ヌーヴォー」、地元の大学生とコラボしてコンセプトを定め、毎月それに合った異なる味わいのブレンドを作る企画「かれんだー珈琲」など、次々と新しい商品を生み出している。
「紙缶レギュラーコーヒー」の神戸セレクション6認定を皮切りに、神戸珈琲職人ブランドは、「神戸セレクション」を5期連続受賞しているが、出品したのはすべて違う商品だ。
時代や場面によって、「至高の一杯」は変わる。だからこそ、様々な場面をイメージし、新しい形のコーヒーを発信し続ける。



頭をスッキリさせたいとき、まったりとくつろぎたいとき、スイーツタイムを楽しみたいとき。コーヒーは、日常の様々な場面に登場する。

「美味しいコーヒーで、世界中のより多くの人の生活に彩りを加えたい。それが私たちの想いです」

神戸珈琲職人ブランドの、こだわりの本格珈琲を、より多くの人へ。自分たちの思う「本当に美味しいコーヒー」を、「珈琲のまち 神戸」から世界へ。日米珈琲の挑戦は続く。



ショップ紹介

日米珈琲株式会社
〒657-0841
神戸市灘区灘南通6丁目2-20

「珈琲のまち 神戸」で1932年からコーヒーの製造、販売を続け、まもなく創業90周年を迎える老舗コーヒーブランド。1000もの喫茶店やレストラン、ホテルに「顔」とも呼べるコーヒーを卸すほか、家庭向け本格コーヒーブランド「神戸珈琲職人」を販売する。同ブランドは、神戸を代表する良品として「神戸セレクション」を5期連続受賞。