日本の食卓を彩る純国産海苔
特選海苔専門店/七福屋
昭和10年創業、大阪・天神橋に暖簾を掲げる海苔専門店「七福屋」。その三代目が全国の産地から厳選する最高級品質の海苔と、創業から変わらぬ門外不出の「自家製タレ」が自慢です。素材本来の風味を引き立てる上品な味わいと、とろけるような口どけ。老舗の目利きが届ける本物の味をご賞味ください。
~国産ならではの風味と口どけが広がる海苔~
良い商品が生まれる背景には、作り手の熱い想いとこだわりがあります。国産原料にこだわり、90年続く伝統の味で仕上げた七福屋の海苔製品。大阪で生まれ育ったおいしさが、全国の家庭、小売店、料理店で選ばれ続けています。
老舗が厳選する国産海苔の風味と奥深い秘伝ダレの味
七福屋株式会社
代表取締役 房川 雅一さん
昭和10年に、乾物問屋がひしめく大阪・菅原町で産声を上げた海苔専門店「七福屋」の三代目。幼少期より、海苔の香りと共に商いの厳しさと喜びを肌で感じて育った。商売をする上で最も大切にしているのは、専門店としての絶対的な誠実さ。そのこだわりは、原料の仕入れから製造工程の細部にまで及ぶ。海苔の等級、産地、仕上がり具合を見極め、海苔の厚み一枚一枚に合わせて焼き加減を調整し、一晩かけて引くダシの味を毎日自ら確かめる。「海苔は脇役ではなく、食卓の主役になれる」。その信念を胸に、今日も天神橋で理想の一枚を追い求めている。
特選海苔専門店『七福屋』
おにぎりをほお張った瞬間、鼻に抜ける磯の香りと、舌の上で解けるような快い歯切れ。大阪・天神橋で90年続く老舗「七福屋」の海苔には、そんな「本物の記憶」が宿っています。三代目・房川雅一代表が守り抜くのは、単なる乾物の枠を超えた、食文化としての日本海苔。気候変動により良質な原料確保が困難を極める現代において、全国の海から最高の一枚を引き当てる執念の目利き。そして、一晩かけて丁寧に引く天然出汁の秘伝タレ。作り手の情熱が凝縮された一枚の海苔が、いかにして食卓を「ご馳走」に変えるのか。その裏側にある、妥協なき物語をひもときます。
「天下の台所」が生んだ
海苔専門店の原点
大阪市北区天神橋1丁目。日本一長い商店街のほど近くに、海苔の香りを漂わせる「七福屋」の拠点は構えられている。創業は昭和10年。房川社長の祖父が、当時80軒近くもの乾物屋が密集していた菅原町で独立したのが始まりだ。
やがて現在の天神橋へと拠点を移した七福屋は、単なる「仕入れ販売」に留まらず「自社製造」を手掛ける海苔メーカーとして成長してきた。近畿一円の問屋を通じて広がったその味は、今や通販を通じて全国にファンを持つ。しかし、どれほど規模が広がろうとも、房川社長の視線は常に「現場」にある。製造現場に自ら立ち、常に海苔が焼ける音と香りに耳を澄ませる。歴史ある地で、時代の変化に揺るがない「老舗の味」を追求し続けること。その姿勢こそが、長年愛され続ける七福屋の信頼の礎となっている。
原料不足が進む市場で
安定した品質を維持する眼力
海苔の良し悪しの基本は、原料で決まる。房川社長が最も心血を注ぐのが、11月から4月にかけて行われる全国の漁連での入札だ。「海苔のシーズンは、10月後半から4月前半までの半年間。その年の最初に摘み取られた『初摘み(一番摘み)』は、若い芽が持つ力強い旨味と、とろけるような柔らかさが最大の特徴」と房川社長は言う。
入札は、一発勝負でやり直しができない。1,000種類以上の出品の中から、迷いなく入札する品物を選び出す。判断スピードが求められると同時に、長年の経験に基づく「感性」が欠かせない。「出荷量と在庫、そして何より『このロットは絶対に外せない』という最高の海苔をどう射止めるか。入札金額が足りなければ『スベって』落札できず、無理をすれば必要がない物まで落札してしまう『ドボン』と呼ばれ買い付け代金がショートしかねない、常に緊張の連続です」(房川社長)。
特に九州有明海産の初摘みは、全国の業者が狙う最激戦区。房川社長は日々の情報収集を欠かさない。狙った「ええもん」を確実に手に入れる。その執念が、七福屋のパッケージに詰められる海苔の品質を、シーズンを問わず高い水準で維持させている。

気候変動の中で
「最高の一枚」を探し歩く
近年、海苔を取り巻く環境は劇的に厳しさを増している。かつて国内生産の6割を占めた有明海。しかし、ここ数年は海水温の上昇や降水量の変化により、生産量はかつての半分近くにまで落ち込んだ。「海苔は非常に繊細な生き物。水温が下がらず、海中の栄養バランスが崩れると、たちまち『色落ち』してしまいます。本来、漆黒であるべき海苔が、栄養不足で薄黄緑色になってしまう。専門店が扱う品質とは言い難い」と房川社長は言う。
当然のことながら、海水温が変化したからと言って、魚のように海苔は移動できない。だからこそ、七福屋では産地に縛られず、日本全国の海へと目を向ける。有明が不調であれば、瀬戸内、愛知、三重。各地の漁場の個性を把握し、その年、その時期に最もコンディションの良い産地から厳選する。「有明産がブランドなのは間違いありませんが、愛知・三重や瀬戸内産にも力強い風味を持つものがあります。産地の名前で売るのではなく、実際に食べて美味しいものを売る。それが私たちの責任」(房川社長)。どんなに不漁の年であっても、確かな目利きにより、基準を満たさないものは決して仕入れない。自然の厳しさと対峙しながら、最高の一枚を食卓に届けている。
一晩かけて引く、
化学調味料に頼らぬ味
七福屋の「味付け海苔」を食べた人は、その上品な後口に驚く。市販の海苔にありがちな、舌に残る強い甘みや刺激的な辛さがない。その理由は、創業時から変わらぬ「完全自家製」のタレにある。「基本は、前の晩から昆布をたっぷりの水に浸け、じっくりと旨味を引き出すことから始まります。そこに瀬戸内海の干しエビ、厚削りのかつお節を加え、じっくりと火を入れる。和食の基本である一番ダシの工程を、海苔のタレのためだけに毎日行っています」。
そのレシピは門外不出。化学調味料(アミノ酸等)や甘味料を過剰に使わず、醤油と砂糖で味を整えたタレは、海苔の香りを引き立てる。唐辛子も粉末ではなく、軸付きをそのまま煮出すことで、子供でも食べられるマイルドな隠し味に仕上げている。秘伝のダシを丁寧に塗布し、遠赤外線で焼き上げる。手間はかかるが、この手間こそが専門店と量産品を分かつ、決定的な差。2010年から12年にかけて3年連続「モンドセレクション金賞」を獲得した実力を、ぜひ味わってもらいたい。


職人の創意工夫が
生んだ「梅・わさび」
七福屋の「特選味付のり」の中でも、ファンが多いのが「紀州梅味」と「わさび味」だ。これらは、房川社長が自ら開発した自信作である。「梅味の海苔を作ろうとした時、多くのメーカーはタレに梅エキスを混ぜていました。でも、それでは海苔の香りが死んでしまう。そこで私が選んだのは、紀州産のフリーズドライ梅肉をそのまま海苔にまぶす手法でした」。
一粒一粒、ピンク色の梅の粒が海苔の表面に踊る。口に含んだ瞬間に広がる、梅本来の爽やかな酸味。この独自の「トッピング製法」は、当時としては極めて珍しい試みだった。わさび味も同様。鼻にツンと抜ける風味が海苔の旨味と融合するよう、わさび茶漬けに使われる粒状の「わさび玉」を最適なサイズに砕いて使用している。「どちらも、海苔そのものが国産の良質なものであることが前提。ベースの海苔がしっかりしているからこそ、個性が引き立ちます」。既存の枠にとらわれない発想と、それを実現させるための技術力。房川社長の探求心が、海苔の新しい楽しみ方を切り拓いている。
「初摘み」と「○等級」が
生み出す至高の歯切れ
「味付海苔が『料理』なら、焼き海苔は『素材そのもの』。だからこそ、素材の良し悪しが残酷なほどに出るんです」(房川社長)。七福屋が焼き海苔に選ぶのは、「初摘み」の原料だ。特に、海苔が乾燥する際に若い芽が縮んで穴が開いてしまう「○(マル)等級」は、見た目の不揃いさとは裏腹に、極上の味わいを持つ。「本当に美味しい海苔を求めるなら、小穴が開くほど芽が細かく、柔らかいものを選んでほしい。ザクっと噛み切れる快感と、口の中で溶けてなくなる感覚。これは初摘みの○等級でしか味わえません」。
自社工場の遠赤外線ヒーターで、海苔の厚みに合わせて火力を微調整しながら焼き上げる。焦げすぎず、生すぎず。焼き上がったばかりの海苔をすぐにパッケージングすることで、豊かな香りを閉じ込めている。「炊き立てのご飯を巻いて、パリッとしているうちに食べるのが一番のおすすめ。でも、少し時間が経って、ご飯の水分でしっとり馴染んだ時の旨味も格別です。そのどちらの状態でも美味しく召し上がっていただけるのが、私たちの焼き海苔の強み」と房川社長は胸を張る。


国産海苔という
「文化」を守るために
現在、世界で最も海苔を生産しているのは韓国だ。安価で薄い韓国産海苔が市場を席巻する中で、房川社長はあえて「国産」の価値を説き続ける。「韓国産は見た目が綺麗で黒いですが、味は淡白。それに対し、日本の海で育つ海苔は、冬の厳しい寒さと潮の流れに揉まれ、深いコクとコシを持ちます。しかし、その国産海苔を支える生産者は減少の一途を辿っています」。
真冬の凍てつく海での収穫作業は過酷を極め、生産設備の投資には数千万円という巨額の費用がかかる。後継者がおらず、やむなく海を離れる漁師も少なくない。房川社長は、入札を通じて正当な価格で原料を買い支えることが、日本の海苔文化を守ることに直結すると考えている。「私たちが美味しい海苔を提供し続け、消費者の皆さんに『やっぱり国産は違う』と感じていただくこと。それが、生産者の皆さんの誇りと収益につながるんです」。海の恵みと生産者の努力を預かり、お客様へと橋渡しすることが、伝統ある日本海苔専門店の使命。そのおいしさを、みなさんの食卓で味わってみてはいかがだろうか。
ショップ紹介

特選海苔の七福屋
〒530-0041
大阪市北区天神橋1丁目9番16号
https://www.shichifukuya.co.jp/
大阪で乾物屋として産声を上げ、創業以来90余年、日本の食卓を支え続ける海苔専門店。全国の産地から厳選した希少な海苔原料へのこだわりと、創業から変わらぬ「門外不出のタレ」で仕上げる海苔は、素材の風味を殺さない上品でマイルドな味わい。伝統を守りつつ、食の安全と本物の旨みを全国へ届けている。
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